2021.12.30 Thursday

仮想農園

VRゴーグル

今年一番興味をひかれたのが「メタバース」。これを農業にも活用できるかな。
最初は何の意味かさっぱり解らなかったが、アニメゲームをしているような立体的な超仮想空間がメタバース。VR(バーチャルリアルティ)ゴーグルをつけてパソコンを操作すると「仮想農業空間」のメタバースへ入って行ける。その仮想農業空間に自分の分身として「アバター(アニメ人間)」を作っておけば、そのアバターが農作業をする。仮に、今年大失敗した黒豆作りをさせていたらどうなったか。
まず、仮想空間に作られた自分の畑に、トラクターと耕運機を使って畝作りをする。アバターは5月に種播きしたが、ネッ上で収集した地域の気象情報等がメタバース上で自動的に反映され、6月に入り黒豆の背丈がどんどん伸びたところで警告が発せられた。「これ以上この時期に成長すると、実に回す肥料余力がなくなり、台風で倒れるリスクもある」ということだ。現実の畑を見てみるとそれと同じような状態だったので、指示通り上の方を切って半分の背丈にした。その後も、現実の畑との比較をしながら、アバターからの注意や警告によって追肥や水やりなど対処しつつ、メタバースの畑も現実の畑も最終的に順調な実りを迎えることができ、結果上手く行ったという未来物語。
近い将来、メタバースの「仮想農業空間」に、田圃や畑の状態、機械設備、働く人の状況などをセットし参加すると、仮想農業空間での農作業が現実の農作業と並行して進むことになる。水田の水位などは計測機によって自動的にメタバースへ送信され管理される。肥料や農薬の散布時期は気象情報を勘案して仮想空間で指示が出て作業が進む。そして、それに合わせて現実の農作業も進められる。力仕事が減り大幅に楽になる訳ではないが、上手く活用すれば農業にも役立つ日がくるかもしれない。

2021.12.27 Monday

ハリウッド

桃、柿、枇杷、蜜柑、無花果など、今年も多くの果物が収穫できた。しかし、一番驚かされた果実は、ハリウッドという品種のプラムがつけたこのきれいで大きな実だ。
ハリウッドは実の収穫用でなく隣にあるプラムの花粉木として植えたもの。いつもは花を採って別品種の受粉用に使ってしまうので、実がついてるのをこれまで見たことがなかった。それが今年は、見え難いところで隠れるように大きな実を数個つけていた。非常にきれいな形をしていたので固いうちに収穫し何気なく磨いてみたら、見たことないほどピカピカに輝いた。その上追熟したら食べられる。
果樹は見ても食べても楽しめる。やはり花より実。しばらく飾っていたが追熟したので食べてしまった。

2021.12.24 Friday

セイタカアワダチソウ

風鈴草

農作業をしていると、草にも小さな花が咲いている時があり、思わず「頑張ってるね」と声をかけてやりたい時がある。もちろん抜いてしまうけれども。
しかし、セイタカアワダチソウは別だ。秋になり黄色くてきれいだねと見逃していると、どんどん広がり木のように太くなって「普通の草と一緒にしないで、私は絶対にここから動きませんから」と言うかのように強欲に居座ってしまう。避けて通りたいタイプだ。
普段は果実の収穫にばかり目が行ってしまうので、花は眺めるだけのことが多いが、セイタカアワダチソウとは対照的に、今年見た中で一番好きだった花は「風鈴草」。沢山咲いている景色は見ているだけで楽しくなる。これはいつか是非作ってみたい。

2021.12.21 Tuesday

剪定


オリーブの剪定を先延ばしにしていたら、庭木剪定業者が来て後れをとってしまった。
しばらくチョンチョンとやると、一休みして遠くから庭全体を見渡し「木を見て森を見ず」の弊に陥らぬようきれいに仕上げるのが今の一般的なやり方だ。
昔、一旦始めると休みもせず次々に切って行き、仕上がりはあまりきれいでないけれども手早くて人気のある職人さんがいた。切り始めた時、すでに切り終わった状態を頭に描いているらしく、春になり木が伸びた時の状態まで想定してどんどん切って行く。だから、初めて仕事を依頼した人からは、たまに「これは切り過ぎじゃないの?」と聞かれるそうだけれども、次の年も必ず頼まれるらしい。
今をきれいに仕上げるのも優れた腕の職人だが、今は多少いびつに見えながらも木をよく知り成長度を見定めつつ、庭が一番輝く春に合わせて素早く剪定する後者の職人はもっとすごい。将来をきちんとイメージし、そこから遡って今どうしておくかを判断し対処する剪定は、バックキャスティングの経営視点と同じだ。
オリーブの剪定も、先を見越したバックキャスティングの視点で手早く済ませたい。

2021.12.18 Saturday

軽トラ

軽トラは前がないので衝突すれば大けがをする。そうした事故に絶対会わない確実な方法がある。「素晴らしい是非実行したい!」と思うだろう。どういう方法か説明しよう。
それは「家から出ないこと」だ。道に出なければ車に当たりけがをすることはないし、運転し外に出なければ事故を起こすこともない。こんな極端なこと実際はできないだろうれども、逆に言えば「外に出る限り事故に会うことは避けられない」ということでもある。
車に乗れば「便利」だが、反面事故を起こす「危険」がある。実際の生活をするには、この便利さと危険の間で過ごすしかない。外に出れば事故に会う環境はすでに整っている。
車は便利であり危ない、包丁のようなもの。「事故は普通におこるもの、事故に会わなければラッキー」それくらいに思ってちょうど良い。「普通に起こり得る」と考える人は注意し事故を避けられるが、「不運だっただけ」と考える人は注意せず事故が繰り返される。
田圃の中でさえ注意を怠ればトラクターの横転事故がある。

2021.12.15 Wednesday

破壊された温室

東野圭吾作、気象予測がテーマの小説。
TVドラマ化もされたが、本の方ががずっと面白い。気象は農業にも関わりがある。今年は、夏の長期日照りに対応できず黒豆作りが大失敗した。本当は沢山の情報からある程度の気象予測はできるのに、本気で考えず、まだなんとかなると安易に思っていたからだ。
予測ができる近未来、その近未来から遡って今を真剣に考えると、今すべきことが見えてくる。しかし、間違った近未来を予測してしまうと迷走する。その結果の失敗だった。
今は二重シート張りに修繕を済ませている温室も同様。真剣に未来予測をして、早めに手当てをしていれば、暴風雨による温室破壊も免れていた。

2021.12.12 Sunday

ジャガイモの花

ナスの花、きゅうりの花、菜の花などきれいな野菜の花が沢山あるものの、何が一番好きかと聞かれれば、“ジャガイモの花”と答える。しかし、“きれいだよね”と言ってもほとんどの人は首をかしげる。他には、ブロッコリーの花もとてもきれいで好きだ。
寒くなるにつれてジャガイモが大きく育ってきた。それとともに花が咲く。とてもきれいなのに、ジャガイモ栽培では「花を咲かしていると栄養が取られ芋が大きくならない!」と言われ、すぐにちぎって捨てられるので、人目につかず散ってゆく。花やで売られることはないし、咲いている期間も極めて短いので、見ることができればラッキーだ。
花がつかないジャガイモもあるし、花の実がジャガイモになるわけではない。芋の収穫とはほとんど無関係で役に立っているとは言えないけれども、“私はジャガイモの華”と可憐に主張している姿に癒される。でも、見た後は芋収穫のためちぎって捨ててしまった。

2021.12.10 Friday

イノシシ再走

ピンクのテープ


栗もなくなったので、“もうイノシシは来てないかも”と期待しカメラチェックをしたが、やはり甘かった。写真は動画の一部だが、先頭の大きなイノシシに続き二頭目がやってくる。さらにここには映ってない三頭目も勢いよく走ってきて通過していく。しかも雨の中だ。何も変わっていなかった。
オリーブ園が相変わらずイノシシの楽園になっているので、役所へ「イノシシ用のオリを貸してほしい」と相談に行った。しかし、オリは狩猟免許を持っている人が設置することになっているので、オリだけを個人に貸し出すことはできない。申請を受け、狩猟免許を持った人が現場を確認し、役所が許可したら設置ができるということだった。
要するに簡単に設置はできないということなので、イノシシ対策用に鈴も買ってきた。まずは、イノシシが嫌がると噂のピンクのテープに鈴を取付け対策を強化し、“足が引っかかるとビックリするだろう作戦”の実行か。でも、「ピンク色好きだねえ、ちょっとビックリだけど鈴の音も良いねえ!」と思われる可能性の方が高いかも。

2021.12.08 Wednesday

長老自らの刈取り
充茂90

我が家の稲刈りと籾摺りを手伝ってもらった近所の91歳になる長老からは、農作業だけでなくいろんなことを教わってきた。
長老の米作りは、化学肥料を使わず米糠や油粕などから作った”ぼかし”という自然肥料で栽培されてきた。収穫期になると、他とは明らかに違う黄金色をした田圃が広がりとても見事だが、教えてくれても到底真似ができない。自然肥料栽培は収穫量が少ないのに丁寧な管理が必要だし、自家製の肥料作りも難しくて時間がかかり常人ではできない。いつもは控えめで穏やかだけれども、沢山の知識を持っているし、厳しい条件下になっても耐え工夫し抜群の実行力があるからできている。
農業実力者になっても「おごらず」謙虚で、沢山の農作業があっても「気負わず」マイペース、厳しい条件下になっても「ひるまず」新しい工夫をするという生き方は常に見本だった。元気でいてもらいたい。

2021.12.06 Monday

落花生袋詰め

落花生の殻割りも徐々に進み、ようやく試食してもらえる段階の袋詰めができあがった。
しかし、産直へ出荷となると数が必要とされるのでなかなかそこまでには至らない。昨年は不作で産直出荷ができなかったし、今年も商品化できるのはまだまだ先になりそうだ。
落花生の品種は、大型”おおまさり”と小型”半立”の二種類。大きさ毎に焙煎する時間が異なるので、殻割り後、まずそれぞれの大きさ毎に大、中、小、極小、計8つのグループに分ける。そして、大きさにあわせ個別に焙煎し、最後に全てを混合した袋詰めにするので結構手間がかかる。大きいのは大味だが食べ応えがあり、小さいのは米粒みたいで焼き過ぎていると少し苦い。”おおまさり”の小さいのが私の一番好みだが、混ざっていると市販商品には無いいろんな味が楽しめる。
殻剥きは今日もコツコツと進行中。だが、まだ1万2千個もあるし飽きる。産直販売までこぎ着けられるかな。

2021.12.04 Saturday

山開発

山開発後

この山は大きな木が生い茂った雑木林だった。オリーブ園の隣だったので、木を伐採し新たなオリーブを植えられるよう整地をしたが、当初は裸山状態。それから5年、オリーブの他、庭木や果樹も移植し草も茂りようやく緑の山になった。
最初、3年物の小さなオリーブの苗木を植えたがなかなか大きくならなかった。オリーブの実が一番たくさん生るのは20歳頃だそうだが、今のペースで行くと、その最盛期には農作業ができない年齢になっている。この山を開発した時にそう言う話をすると、良い話がある「オリーブの成長はお金で買えるよ、成長を待つより大きな苗木を買ってくる方が早い」と言われた。なるほどと思い、1m以上に成長した大きな苗木を買って植えてみたもののどうもすっきりしなかった。
オリーブの木を早く大きくしたいことばかり考えていたが、本当は、オリーブの木が大きくなっていく成長の姿を見たかったような気がする。立派なオリーブ園になるのが遠い先になっても、小さな苗木から大きく育てよう。

2021.12.02 Thursday

桜剪定

農作業をしていると腰を痛めることがよくある。先日皆で剪定した桜の木に梯子をかけ無理な態勢で残った細枝切りをしたのが悪かったのか、急に腰が痛くなった。マッサージも考えたが、「高齢のぎっくり腰は揉むな、安静にせよ」言われたのを思い出し今日は休養。五十肩やぎっくり腰は老化への警鐘、固くなってきた骨を無理に回して痛めないよう「もうこれくらいにしておけ」と痛みで伝えているのだそうだ。
若いときは筋肉が元気なので、骨が少しズレ歪んでも弾力性で押し返してくれていたが、歳をとると、老化した筋肉は「もう私にはこれ以上骨を押し返すのは限界」と言うことで、ぎっくり腰になるらしい。だから、マッサージは傷んで痛がる筋肉を揉むようなもので「お願いだからもう触らないで」となる。頑張った筋肉はそっとしておくのが一番。腰痛は警鐘だと思って休養の良い機会、真摯に受け止めよう。

2021.12.01 Wednesday

横マテ

こんなに巨大なマテ貝、見たことがありますか。昔は地元にも少しながら生息し食用になっていた。しかし、沿岸の埋め立てが進むにつれて生息域が減少し、最近はまったく見かけない。焼いて食べると身が厚く味が濃厚でとても美味しい。普通のマテ貝よりはるかに大きく、焼く時はグリルいっぱいになるほどだ。横マテと呼ばれ、採れる量が非常に少なく旬の時期しか採れないめずらしい貝で、店に出ていると必ず買った。
もうこんなに大きなマテ貝を買うことはできないだろうが、春の風物詩だった潮干狩りもなくなった。浅利がいないのだ。小豆島でも醤油作りの栄養分豊富な廃液を海に流すのが禁止になってから浅利がまったく採れなくなったらしい。海はきれいにはなったもののアミノ酸などの栄養素がなくなり、プランクトンやゴカイが生育せず、それを餌にする浅利が育たない。更には、小魚も育たず、沿岸からイワシや鯵など小魚の大群が消えた。何事も適度があり、バランスが大切。イワシや鯵の大群復活せよ!

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