2022.09.06 Tuesday

マメトラ

マメトラ草

近所の納屋から、一輪しかない奇妙なミニ耕運機“マメトラ”が出てきた。何十年も前の古い物らしく、燃料タンクの内側はさびているし、燃料パイプやキャブレターはゴミが詰まっていた。興味深く見ていたら「好きにしていいよ」と言われたので、細い溝の落花生畑の除草をするのにはちょうど良いにではないかと考え、自分で修理してみることにした。
そして一か月後、ようやく修理が終わり除草作業に持ち出した。しかし、完璧に修理し順調に行くハズだったのにまさかの事態が発生。修理が長引いたせいで草はずいぶん伸び、「そんなミニ耕運機で私たち雑草が本当に倒せると思っているの?」とばかりに、畝間の溝に突入させた途端、小さなローターは長い草達にぐるぐる巻きにされ、除草耕作機能は封じられてしまった。さらに、ローターが地面に刺さらず車輪状態化したので、その回転力も加わり、一輪しかない不安定なミニ耕運機は暴走した。
そもそも、このミニ耕運機は、除草などの耕作をする目的で作られたのではないらしい。トラクターできれいに耕されたあと、軟らかい草のない状態の土地に細い溝を掘っていく道具だった。ミニ耕運機だからとなめていたら、今回のようなことになってしまった。
こうして、マメトラは、寂しく元あった納屋へ帰って行き、また眠りについた。なんでも欲しそうにしてもらってきてはいけない!と言われてしまった。


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