2022.03.22 Tuesday
春分も過ぎ、白菜にきれいな花が咲いてくるなど、季節が本格的に変わってきたが、この時季の田舎生活は、一番野菜や果物が少なく、農作業も土起こしのトラクター耕作や土壌改良など地味な作業ばかりで、面白い出来事が少ない。
土の上下を入れ替えや除草、土壌改良肥料投入などの耕作をなんども繰り返し、種や苗の植付けを待つこの冬場の地味な作業は、しっかりやっていても、全くやらないでいても、表面から見ていただけではあまり変わらないように見える。地面の下で目に見えない変化が少しずつ進んでいるだけだ。
しかし、冬の寒さの峠を越え、暖かくなって成長が加速する時期になると、こうした作業をしっかりやっていた畑とまったくやってなかった畑では、如実に差が現れる。厳しい冬場は、ほとんど差がないように見えていたのに、寒さの峠を越えた途端に差がどんどん広がって行く。他所に引離されないよう冬場の地味な農作業もおろそかにできない。
冬場の地味な農作業は、自転車レースの上り坂のようなものだと言われる。
前の走者が上り坂に入ると、急にスピードが落ちるので差がどんどん縮まってきたように見えるが、上り坂での僅差は実は大きい差だ。前の走者の自転車が峠を越え、下り坂に入った途端に、これまで数メートルだった差が、一気に数十メートルの差に広がる。
困難な時の努力は報われないように見えるが、その時に少しでも差を縮める努力は、好条件に環境が変わった時、大きな差になって実現される。